宮城県の建設業許可の費用はいくら?手数料・報酬・実費を解説

宮城県の建設業許可の費用はいくら?手数料・報酬・実費を解説

建設業許可を取りたいと考えたとき、最初に気になるのは「いくらかかるのか」ではないでしょうか。

建設業許可の費用は、役所へ支払う申請手数料だけではありません。行政書士に依頼する場合の報酬、証明書取得の実費、許可取得後の決算変更届や更新費用もあります。そのため、取得時の費用だけで判断すると、あとから維持費や追加費用に戸惑うことがあります。

この記事では、宮城県知事許可を中心に、建設業許可にかかる費用を取得時と取得後に分けて整理します。自社申請と行政書士へ依頼する場合の違い、宮城県での納付方法、見積もりを見るときの注意点も解説します。

建設業許可の費用は取得時と取得後に分けて考える

建設業許可の費用は、大きく「取得時の費用」と「取得後の維持費」に分けて考えると整理しやすくなります。宮城県知事許可(一般建設業)を例に、費用の構成をまとめると次のとおりです。

場面 主な費用
自社で新規申請する場合 宮城県知事許可の申請手数料9万円+証明書取得等の実費
行政書士へ依頼して新規申請する場合 宮城県知事許可の申請手数料9万円+行政書士報酬+証明書取得等の実費
許可取得後 毎年の決算変更届(宮城県の申請手数料表では、決算変更届について手数料は定められていません)+5年ごとの更新申請手数料5万円+行政書士へ依頼する場合の報酬・実費
業種追加 申請手数料5万円+行政書士へ依頼する場合の報酬・実費
宮城県内で営業所を新設 変更届が必要。宮城県の申請手数料表では、変更届について手数料は定められていません。行政書士へ依頼する場合は報酬・実費が別途必要
県外に営業所を新設 県外に建設業法上の営業所を新設する場合、国土交通大臣許可への許可換え新規が必要(登録免許税15万円+必要に応じて行政書士報酬・実費)
法人化 法人で新規許可を取得する場合は申請手数料9万円。建設業法第17条の2による事前認可で承継する場合は、認可申請自体に手数料はかからない

申請手数料は、宮城県土木部の手引き(令和8年3月改定版)p.24によります。行政書士報酬は事案や依頼範囲によって変わるため、総額は案件ごとに異なります。自社で申請する場合でも、申請手数料9万円のほか、証明書取得等の実費が生じることがあります。実費としては、申請内容に応じて、登記事項証明書、登記されていないことの証明書、身元(身分)証明書、納税証明書、預金残高証明書などの取得費用が生じる場合があります。なお、「財産的基礎の500万円」は許可の要件であり、役所へ支払う費用ではありません(後述)。費用を考えるときは、「取る費用」だけでなく「持ち続ける費用」まで見ておくことが大切です。

宮城県知事許可の手数料は新規9万円・更新5万円

宮城県知事許可の申請手数料は、新規・許可換え新規・般・特新規が9万円、業種追加・更新が5万円です。

申請手数料は、単純に申請する業種の数で決まるわけではありません。一般建設業・特定建設業の別と、どの申請区分を組み合わせるかによって決まります。

たとえば、更新と業種追加を同時に申請する場合は、更新5万円+業種追加5万円=10万円です。また、一般建設業と特定建設業を同時に新規申請する場合は、それぞれについて9万円の申請手数料が必要になります。

国土交通大臣許可の場合は、新規・許可換え新規・般・特新規について登録免許税15万円、業種追加・更新について申請手数料5万円が必要です。

なお、知事許可と大臣許可の区分は工事現場の所在地ではなく、建設業法上の営業所をどの都道府県に設けるかによって決まります。

行政書士へ依頼する場合でも、これらの申請手数料や登録免許税は行政書士報酬とは別に必要です。見積もりを確認するときは、行政書士報酬と申請手数料等が分けて表示されているか確認しましょう。

宮城県では収入証紙の使用が終了し納付方法が変わった

宮城県収入証紙は令和8年3月31日をもって使用できなくなりました。そのため、現在は収入証紙による手数料納付はできません。現在の納付方法は、紙で申請するか電子申請かによって異なります。

紙の申請書を窓口に提出する場合

各合同庁舎等に設置のセルフレジでの支払い、または窓口でのキャッシュレス決済です(手引きp.24)。ただし、窓口でのキャッシュレス決済に対応しているのは仙台土木事務所のみである点に注意が必要です。キャッシュレス決済等の詳細は宮城県のホームページで確認できます。なお、紙の許可申請書は窓口提出のみで、郵送では提出できません。

電子申請(JCIP)で申請する場合

宮城県知事許可の新規・更新・業種追加の申請は、建設業許可・経営事項審査電子申請システム(JCIP)による電子申請も可能です。電子申請の場合、申請内容に不備がなければJCIPから「手数料等納付案内」が通知され、インターネットバンキングで納付します。電子申請ではセルフレジ等による納付はできません。また、インターネットバンキングでの支払いでは領収書は発行されません(宮城県「建設業許可の手引き(電子申請版)」令和8年3月改定版)。

行政書士報酬が変わる理由

行政書士報酬は、事務所ごとの料金設定だけでなく、依頼内容や証明の難易度によっても変わります。建設業許可では、申請書を作成するだけでなく、許可要件を満たしているかの確認や証明資料の収集・整理が必要になるためです。

たとえば、経営業務の管理体制を過去の資料で証明する場合、営業所技術者等について資格ではなく実務経験で証明する場合、過去の工事請負契約書や注文書の確認が必要な場合などは、資料確認に時間がかかることがあります。また、決算変更届などに未提出がある場合は、その整理が必要になることもあります。

そのため、「建設業許可申請○万円から」という表示だけでは最終的な総額を判断できません。見積もりを取る際は、申請書作成だけでなく、要件確認、証明資料の確認、書類取得、補正対応など、どこまで報酬に含まれているかを確認することが大切です。

自分で申請すれば安く済むのか

建設業許可は、自社で申請することも可能です。自社申請であれば、行政書士報酬はかかりません。ただし、申請書の作成だけでなく、許可要件の確認や証明資料の収集・整理も自社で行う必要があります。

特に、経営業務の管理体制(建設業法第7条第1号)や営業所技術者等(同法第7条第2号・第15条第2号)について、過去の経験を資料で証明する場合は、工事請負契約書や注文書、在籍資料などの確認に時間がかかることがあります。書類に不足があれば、追加資料の提出や補正が必要になる場合もあります。

自社申請で抑えられるのは主に行政書士報酬です。申請手数料や証明書取得等の実費は必要になるため、費用だけでなく、申請にかかる時間や手間も含めて判断するとよいでしょう。

申請から許可までにかかる期間は、宮城県の建設業許可は取得まで何日かかる?で解説しています。

許可が必要かどうかで費用判断は変わる

建設業許可の費用を考える前に、そもそも許可が必要かどうかを確認する必要があります。建設業法では、一定の軽微な建設工事だけを請け負う場合、建設業許可は不要とされています(建設業法第3条第1項ただし書)。

建築一式工事以外の工事では、1件の請負代金が500万円未満(消費税を含む)の工事が軽微な建設工事とされています。建築一式工事では、1件の請負代金が1,500万円未満(消費税を含む)の工事、または延べ面積150㎡未満の木造住宅工事(主要構造部が木造で、延べ面積の2分の1以上を居住の用に供するもの)が基準です(建設業法施行令第1条の2第1項)。

ただし、工事の完成を複数の契約に分割して請け負う場合は、正当な理由がない限り各契約の請負代金を合計して判断します。また、注文者から材料の支給を受ける場合は、その材料の価格等を加えて判断します(同条第2項・第3項)。

なお、建設業許可が不要な軽微な工事であっても、解体工事、浄化槽設置工事、電気工事などは他法令による登録等が必要になる場合があります。「500万円未満なら建設業許可は不要」と金額だけで判断せず、工事内容も確認することが大切です。

請負代金の計算方法や判定の手順は、建設業許可が必要なケース・不要なケースとは?で詳しく解説しています。

財産的基礎の500万円は手数料とは別の話

費用の話でよく誤解されるのが、財産的基礎の「500万円」です。これは役所へ支払う費用ではなく、許可の要件の一つです。一般建設業では、請負契約を履行するに足りる財産的基礎または金銭的信用が求められます(建設業法第7条第4号)。宮城県では、倒産することが明白でなく、かつ、次のいずれかに該当することを確認します(手引きp.21)。

  • 自己資本の額が500万円以上あること(財務諸表の貸借対照表で確認)
  • 500万円以上の資金調達能力があること(取引金融機関発行の500万円以上の預金残高証明書・融資可能証明書で確認)
  • 許可申請直前の過去5年間、宮城県知事許可を受けて継続して営業した実績があること

預金残高証明書で確認する場合は、申請受理前1か月以内のものが必要です。預金残高証明書等の取得には金融機関所定の発行手数料がかかる場合があります。これも申請時の実費として見込んでおきましょう。

なお、新規許可後の初回更新では、許可年月日から5年に満たない場合でも、建設業の継続についての申立書を提出し、決算変更届で継続営業が確認できれば、5年間の実績があるものとして取り扱われる場合があります(宮城県「建設業許可の手引き」p.21)。

許可取得後に必要な決算変更届と5年ごとの更新

決算変更届は毎事業年度必要

建設業許可を取得した後は、毎事業年度、決算変更届を提出する必要があります。提出期限は、事業年度終了後4か月以内です(建設業法第11条第2項)。税務申告とは別の手続きであり、宮城県の申請手数料表では、決算変更届について手数料は定められていません。

宮城県では、更新申請の前に必要な変更届を提出しておく必要があります。決算変更届を未提出のままにすると、更新前に過年度分をまとめて作成・提出する必要が生じます。行政書士へ依頼する場合は、その分の報酬が追加で必要になることもあるため、毎年期限内に提出しておくことが大切です。

建設業許可は5年ごとに更新が必要

建設業許可の有効期間は5年間です(建設業法第3条第3項)。引き続き建設業を営む場合は、更新申請が必要です。宮城県知事許可の更新申請手数料は5万円で、行政書士へ依頼する場合は別途報酬がかかります。

更新申請は、有効期間満了日の30日前までに行う必要があります(建設業法施行規則第5条)。宮城県では、有効期間満了日の3か月前から更新申請を受け付けています(宮城県建設業許可Q&A A5-1)。更新申請をしないまま許可の有効期間を過ぎると更新できず、再び許可を受けるには新規申請が必要になります。

更新申請の受付期間や予約、更新前に確認しておきたい届出状況については宮城県の建設業許可の更新手続きとは?受付期間と申請期限をご覧ください。

更新前には、決算変更届やその他必要な変更届が提出されているか確認しておきましょう。

法人化を予定している場合は二度手間に注意する

個人事業主として建設業許可を取得した後に法人化しても、個人の建設業許可が法人へ自動的に引き継がれるわけではありません。

法人で改めて新規許可を取得する場合、宮城県知事許可では新規申請手数料9万円が必要です。一方、一定の要件を満たし、建設業法第17条の2による承継の認可を事前に受ける場合は、認可申請そのものに手数料はかかりません。

宮城県では、個人事業主の法人成りによる承継は事業譲渡として扱われ、個人事業主と法人との間で事業譲渡契約を締結する必要があります(宮城県「建設業許可の手引き」p.133、建設業許可Q&A A1-18)。また、承継の認可は事業承継前に受ける必要があり、宮城県では遅くとも承継日の35日前までに申請を完了するよう案内されています。

法人化が近い場合は、個人で先に許可を取得するのか、法人化後に新規申請するのか、承継認可を利用するのかを早めに整理することが大切です。手続きの時期によっては、余分な申請手数料が生じたり、許可の空白期間が発生して受注予定に影響したりする可能性があります。

見積もりを見るときの確認ポイント

建設業許可の見積もりを見るときは、金額だけで判断しないことが大切です。次の点を確認しましょう。

  • 宮城県知事許可の新規申請手数料9万円が見積総額に含まれているか、別途必要なのか
  • 行政書士報酬と申請手数料等が分けて表示されているか
  • 証明書取得などの実費が含まれているか
  • 経営経験や実務経験を証明するための資料確認・整理が報酬に含まれているか
  • 許可取得後の決算変更届や更新申請の行政書士報酬が別料金か
  • 不許可や申請取下げとなった場合の行政書士報酬・実費の扱いが明確か

安く見える見積もりでも、申請手数料や実費、追加作業が別料金になっている場合があります。見積金額だけでは対応範囲を比較できないため、申請手数料・実費・行政書士報酬の内訳と、どこまでの業務が含まれているかを確認しましょう。

まとめ|宮城県の建設業許可の費用は総額で考える

建設業許可の費用は、申請時の手数料だけで判断できません。宮城県知事許可の新規申請手数料は9万円ですが、行政書士へ依頼する場合の報酬や証明書取得等の実費も必要になります。

許可取得後は、毎事業年度の決算変更届と5年ごとの更新が必要です。決算変更届は宮城県の申請手数料表に手数料の定めがありませんが、行政書士へ依頼する場合は報酬が必要になることがあります。更新時には申請手数料5万円が必要です。

また、一般・特定の別や申請区分の組合せによって手数料が加算される場合があります。法人化を予定している場合は、新規許可を取得するのか、承継認可を利用するのかによっても費用や手続きが変わります。

建設業許可を検討するときは、取得時の費用だけでなく、取得後の維持費や今後の事業計画まで含めて総額を考えることが大切です。

よくある質問(FAQ)

Q1. 宮城県知事許可の新規申請はいくらかかりますか?

宮城県知事許可の新規申請では、役所へ支払う申請手数料は9万円です(手引きp.24)。行政書士へ依頼する場合は別途報酬がかかり、証明書取得等の実費が必要になる場合もあります。一般建設業と特定建設業を同時に新規申請する場合は、それぞれについて9万円が必要です。

Q2. 行政書士に依頼すると総額はいくらになりますか?

行政書士報酬は事務所や依頼内容によって異なるため、一律の総額ではありません。宮城県知事許可の新規申請を行政書士へ依頼する場合は、基本的に「申請手数料9万円+行政書士報酬+証明書取得等の実費」で総額を考えます。

Q3. 更新と業種追加を同時に申請するといくらですか?

更新5万円+業種追加5万円=10万円です(宮城県建設業許可Q&A A1-15・A5-3)。申請手数料は、単純な業種数ではなく、一般・特定の別や申請区分の組合せによって決まります。

Q4. 不許可や取下げの場合、手数料は戻りますか?

戻りません。納入された手数料は審査に対するものであるため、不許可の場合でも還付されません(手引きp.24)。申請を取り下げる場合も、申請手数料は還付されません(手引きp.25)。

Q5. 500万円は役所へ支払う費用ですか?

いいえ。500万円は一般建設業の財産的基礎に関する基準であり、役所へ支払う申請手数料ではありません(建設業法第7条第4号、手引きp.21)。また、財産的基礎の要件を満たすだけで許可を受けられるわけではなく、経営業務の管理体制や営業所技術者等、その他の許可要件も満たす必要があります。

Q6. 更新申請をしないまま許可の有効期間を過ぎてしまった場合はどうなりますか?

更新申請をしないまま許可の有効期間を過ぎた場合は更新できず、引き続き建設業許可が必要な場合は、改めて新規申請を行う必要があります。宮城県知事許可の新規申請手数料は9万円です(宮城県建設業許可Q&A A5-2)。なお、更新申請は有効期間満了日の30日前までに行うことが建設業法施行規則第5条で定められています。30日前を過ぎてしまった場合の取扱いは、速やかに管轄の土木事務所へ確認してください。

宮城県・仙台での建設業許可の費用についてのお問い合わせ

建設業許可にかかる総額は、申請区分や証明資料の準備状況、行政書士への依頼範囲などによって異なります。

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この記事を書いた人 Wrote this article

村上敦志